こんにちは、洋平です。
今回は、
どのぐらいの年収が稼げるのかについて行政書士の本音を詳しく見ていきましょう。
実際のところ行政書士はどのぐらい稼げるの?
これから行政書士を目指す人や現状であまり稼げていない行政書士は、
「本音で行政書士ってどのぐらい稼げるのだろう?」と気になっているはずです。
行政書士の年収について色々と調べてみましたが、
ハッキリしたことは分かりませんでした。
厚生労働省や日本行政書士会連合会が、
公式に行政書士の平均年収についての統計調査を行っていないのです。
なので行政書士が本音でいくら稼げるか分かりません、
で終わってしまったらこの記事を書いている意味が無いですよね。
公式なデータではありませんが、民間求人サイトのデータによると
行政書士の平均的な年収は400~600万円といったところのようです。
国税庁によると日本国民の平均年収は約460万円ですから、
行政書士の年収は平均的か少し高いぐらいとなっています。
行政書士の年収にはバラつきがある
行政書士の平均年収が400~600万円と聞いて、
「思ったより稼げない」と感じた人も多いのではないでしょうか。
行政書士は独立開業するケースが多く、
そのリスクの割には確かに年収はそれほど高くないと言えるかもしれません。
ただ行政書士の年収が思ったほど高くないのには、
「行政書士によって年収のバラつきがある」という理由があるのです。
2018年の少し古いデータですが、
それによると何と8割近くの行政書士が年間売上500万円未満となっています。
行政書士はそれほど経費はかからないものの、
売上500万円では経費を差し引いた収入は350~400万円程度です。
多くても年収400万円の行政書士が8割も居ますから、1000万円以上稼ぐ行政書士が
ある程度居ても、平均年収は400~600万円に収まってしまうわけです。
実は「開店休業状態」の行政書士も多い
行政書士の平均年収が思ったよりも高くない理由にはもう1つ、
「開店休業状態」の行政書士が多いといったことも挙げられます。
具体的な数値データはありませんが、行政書士登録はしているけど
積極的に業務を行っていない行政書士が相当数居ると思われるのです。
行政書士試験合格の効力に期限が無いので、
合格してから何年も経ってから行政書士登録するケースも少なからずあります。
中には若い時に合格して、
定年退職してから行政書士として働き始めるといったこともあるぐらいです。
定年まで勤め上げれば生活に困らないぐらいの貯えはあるでしょうし、
場合によっては年金が貰える年齢になっていたりもします。
そうすると高額収入を稼ぐ必要が無く、
知り合いを通して年に数件程度の業務を行う程度となってしまいます。
意識していないと気付きませんが、自宅の近所を歩いていると
小さい行政書士の看板を出している民家が何軒か見かけます。
こうした住宅街の中にポツンとある行政書士事務所は、
開店休業状態となっていることが多いのではないでしょうか。
開店休業状態の行政書士は収入が一般的な平均よりもかなり少ないですから、
結果的に行政書士の平均年収を引き下げてしまっているのです。
本格的に業務を行っている行政書士の平均年収は1000万円以上?
全体的な行政書士の平均年収は400~600万円ですが、本格的に業務を行っている
行政書士に限定すると一般的な平均年収よりも高くなる可能性があります。
先の2018年のデータでは年間売上500万円未満が約8割でしたが、
反対に言うと約2割は年間売上が500万円を超えていることになります。
年間売上500万円以上の半数が1000万円未満ですが、
残りの半数は年間売上が1000万円を超えているのです。
少ないながらも年間1億円以上稼いでいる行政書士も居ますから、
やり方次第では一般的な平均年収よりも多く稼ぐことができるわけです。
個人事務所だと年収1000万円が限界とも言われる
年間1億円以上稼ぐ行政書士も居るには居るものの、
独立開業して1人で業務を行う場合には年収1000万円ぐらいが限界とされています。
行政書士業務にかかる手間と時間を考えると、業務単価にもよりますが、
1人当たり月100万円ぐらい稼げれば良い方となります。
月100万円売り上げたとしたら単純に年間売上が1200万円、
経費を差し引いた年収1000万円ぐらいが限界なのです。
1000万円を軽く超える年収を稼いでいる行政書士は、
恐らく複数人の行政書士を雇っている行政書士法人のオーナーだと思われます。
行政書士業務で稼ぐ分に役員報酬などがプラスされて、
結果的に年収が1000万円を軽く超えるといった感じなのではないでしょうか。
ただ、行政書士法人の方が稼げるのは間違いありませんが、
法人化すると行政書士業務に加えて「経営業務」を行う必要があります。
1人事務所でも経営に頭を悩ませる行政書士が多いですから、
単に「儲かりそうだから」と法人化するのは止めておいた方が良いですよ。
雇われ行政書士の本音の年収
行政書士法人の話が出ましたが、独立開業する以外にも行政書士法人に就職して
「雇われ行政書士」として働く方法もあります。
雇われ行政書士の年収に関するデータも乏しいのですが、
求人サイトなどでは未経験の新人で大体300万円ぐらいの年収となっています。
単純に12か月で割ると月25万円ぐらいですから、
一般的な大学新卒社会人の初任給と同程度といったところですね。
行政書士は実務経験が物を言う仕事で、新人の雇われ行政書士でも
実務経験があればもっと高い年収を貰える可能性もありますよ。
ただ、ゆくゆくは独立開業を目指す雇われ行政書士が多く、
実際に長期に渡って雇われ行政書士を続けているケースがそれほど多くありません。
そのため年次を重ねるに連れてどのぐらい年収が増えていくのかということが、
雇われ行政書士では分かりにくくなっています。
行政書士の年収に男女差は無いが・・・
日本では収入に男女差があり、世界的に見てジェンダーレスや
女性の地位向上という点で遅れていると言われることがあります。
しかし行政書士に限っては年収に男女差はありません。
行政書士として就職するよりも、
独立開業して個人事業主や小規模事業者となるケースが多くなっています。
その上行政書士の主な仕事は行政手続きに必要な書類の作成といった
「デスクワーク」ですから、体力的に劣る女性が不利になることがありません。
さらに女性行政書士だからと言って業務に対する報酬が少なくなることもないので、
行政書士の年収に男女差がほとんど無いというわけです。
ただ女性の行政書士は、
妊娠中や出産の前後はどうしても仕事をセーブしたり休んだりせざるをえません。
また子供が小さい間も仕事をセーブすることが多く、妊娠・出産できない男性に比べると
生涯年収ではどうしても低くなってしまうケースが多いのです。
年収1000万円以上を稼ぐ行政書士になるには
では、行政書士全体の1割しか居ない「年収1000万円以上」を稼ぐには
どうすれば良いのでしょうか?
「こうすれば良い!」という必勝法のようなものはありませんが、
・積極的な営業活動
・取り組む分野を絞る
・ダブルライセンス
の3点を押さえることで、年収1000万円超の行政書士に近付くことができますよ。
まず営業活動を行うことで、
あなたが行政書士であることを広く知ってもらう必要があります。
そして取り組む分野を絞ることで、「これなら誰にも負けない」と言えるほどの
得意分野を作り、他の行政書士との差別化を図ります。
さらに別の資格を取得することで業務の幅が広がって売上が伸び、
結果的に年収が増えることに繋がるのです。
行政書士の営業活動とは
行政書士が行う営業活動としては
・パンフレットの送配布
・ホームページ作成
・SNSやブログを使ったネットマーケティング
などが挙げられます。
昔ながらの方法で多少お金がかかりますが、
「パンフレット」を作って事務所の近所を中心に送配布するのが一番効果的ですね。
行政書士事務所は日本全国にありますから、東京に住んでいる人が
わざわざ大阪の行政書士に仕事を頼むことはほとんどありません。
それどころか市区町村を跨いで仕事を頼むことすら少ないですから、まずは
事務所近隣の人に「行政書士事務所の存在」を知ってもらうことが重要なのです。
事務所の存在さえ知ってもらえていれば、法律関連のことで困ったことや
分からないことが発生した時に事務所に相談に来てもらえるというわけです。
雑談程度ならともかく、アドバイスを求められるなど込み入った相談となると
1時間いくらという形で料金を発生させることもできます。
もちろん実際に業務を依頼される方がお金にはなりますが、
相談しに来てもらえるだけでも年収アップに繋がりますよ。
パンフレットに比べるとホームページやSNS・ブログを使ったネットマーケティングは、
行政書士にとってはそれほど効果的な営業方法ではありません。
とは言え、ホームページやSNS・ブログを経由して依頼が入ることがありますし、
何よりパンフレットを作るよりも費用を抑えることができます。
ですから資金的に余裕が無い間は、
ホームページやSNS・ブログを活用して営業活動するのも1つの方法ですね。
「これなら誰にも負けない」という得意分野を作る
行政書士として年収アップを求めるのであれば、
「これなら誰にも負けない」という得意分野を作ることが大切です。
意識していれば、自宅の近所を歩いているだけでも2~3軒の行政書士事務所を
見つけることができます。
役所の周辺まで行けば、意識していなくても、
何軒かの行政書士事務所の看板が目に入ってきます。
要するに、行政書士事務所は「どこにでも」あって、
業務を依頼する側からすると「どこに頼んでも一緒」という感覚なのです。
ところが得意分野を作っておけば、
「これで困った時にはあの行政書士に相談しよう」となる可能性が高くなります。
また行政書士の独占業務である許認可申請だけでも10,000種類を超える業務が
あるため、全ての業務を完璧にこなすことは難しいです。
しかも書類や手続きに不備があって許認可が受けられないことになると、
顧客の信用を一気に失ってしまいます。
ですから手広く業務を引き受けることは、意外と年収アップに繋がらなかったりします。
反対に取り組む分野を絞って、その分野を100%完璧にこなせるようにする方が
行政書士にとっては年収アップに繋がりやすいのです。
ただ開業してすぐに得意分野を作ることは難しいので、
最初の内はある程度幅広く業務を引き受けた方が良いですよ。
書類作成や手続きで分からないことは先輩行政書士に相談するなどして、
「これなら自信を持ってできそう」という分野を見つけるようにしてください。
行政書士とは別にもう1つ資格を取得してダブルライセンスにする
行政書士とは別の資格を取得してダブルライセンスとすることで業務の幅が広がり、
年収がアップする可能性が高くなります。
実際に多いのは行政書士と司法書士のダブルライセンスですね。
行政書士や司法書士と関わりの無い人は、
行政書士と司法書士の違いがよく分かっていないことが多いです。
そのため司法書士の独占業務を行政書士に相談したり、反対に行政書士の
独占業務について司法書士に相談したりといったことがよくあります。
行政書士の資格だけだと、司法書士の独占業務に関する相談を受けても、
お断りするか知り合いの司法書士を紹介することしかできません。
しかし司法書士とのダブルライセンスであれば、
司法書士の独占業務についての相談や依頼を受けることができるのです。
司法書士に限らずダブルライセンスにしておくことで、
行政書士資格だけではお金にならない相談・依頼がお金になるというわけです。
おすすめは中小企業診断士とのダブルライセンス
行政書士がもう1つ取得するのにおすすめなのが「中小企業診断士」です。
中小企業診断士は、
簡単に言うと中小企業を対象に「経営コンサルタント」の業務が行える資格です。
大企業は既にお抱えの行政書士を持っていることが多く、
新規開業した行政書士が大企業に食い込むことは容易ではありません。
なので必然的に新人行政書士は、中小企業を相手に業務を行うことが中心となります。
行政書士の独占業務である許認可申請、権利義務や事実を証明する書類の
作成だけでは、継続性があまりありません。
ところが中小企業診断士とのダブルライセンスだと、許認可申請などの依頼で
繋がりができた中小企業に経営コンサルタントとして食い込むこともできます。
経営コンサルタントは継続性のある業務ですから、行政書士と中小企業診断士の
ダブルライセンスにすることで安定した収入が見込めるようになりますよ。
年収1000万円超を稼ぐ行政書士の本音とは
行政書士として開業するからには「年収1000万円」が1つの目標となります。
しかし実際に年収1000万円以上を稼いでいる行政書士について調べてみると、
意外な「本音」が見えてきました。
年収1000万円超の行政書士の意外な本音とは
・行政書士としての仕事が軌道に乗るとめちゃくちゃ忙しくなる
・取り組む分野を絞らないと、お金があっても使う時間が無い
・休みなく働かないと仕事が終わらない
といったものです。
行政書士に限らず、年収が増えることは仕事が増えることとイコールですから、
必然的に忙しくなるのです。
貰えるお金が増えても使う時間が無ければ意味がありませんよね。
なので行政書士として仕事をするなら、
「時間の使い方」についてもしっかりと考えておいた方が良さそうです。
まとめ
行政書士の年収について詳しく見てきましたが、
本格的に業務を行えば一般的な平均年収ぐらいは稼ぐことができます。
しかしわざわざ資格を取って開業する以上は、
「平均よりも多い年収を稼ぎたい」というのが本音ではないでしょうか。
もちろん行政書士として平均よりも多い年収を稼ぐことは可能なので、
ぜひ「稼げる行政書士」を目指してくださいね。