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行政書士を「廃業しました」とならないためには

「行政書士廃業しました」といった話を耳にすると、
これから行政書士を目指す身としては考えさせられてしまいます。

廃業に追い込まれる行政書士の特徴や「行政書士廃業しました」とならないように
する方法を詳しく紹介しましょう。

最後まで読んでいただければ、きっと行政書士開業に前向きになれますよ。

廃業に追い込まれる行政書士の特徴とは

開業して数年で廃業に追い込まれる行政書士には、
いくつかの特徴やパターンがあります。

廃業に追い込まれる特徴やパターンを知っていれば、
「開業しました」からまもなく「廃業しました」のお知らせをする必要が無くなります。

では廃業に追い込まれる行政書士の特徴やパターンを具体的に見てみましょう。

ビジネスマナーが身に付いていない

就業経験なしで開業した行政書士は、基本的な「ビジネスマナー」が
身に付いていないことで廃業に追い込まれるケースが多いです。

サラリーマンからすると、顧客や取引相手と会う際にはたとえプライベートであっても
それなりにキチっとした服装で行くのは当たり前です。

職場の電話でも携帯でもかかってくればすぐに出る、不在着信があれば折り返す、
メールにも返事をするといったことは意識しなくてもできます。

就業経験なしに開業してサラリーマンなら当たり前のビジネスマナーが
身に付いていないと、廃業に追い込まれてしまう可能性が高いのです。

実際に顧客と会うのにTシャツ短パン、事務所に電話をかけても出ない、
折り返しの電話も無い、メールを送っても返事が無いといった行政書士が居ます。

一般企業でも取引先にこんな社員が居たら、
長く関係が続いていても次回以降の取引は考え直すことになりますよね。

まして初めて仕事を依頼した行政書士のビジネスマナーがなっていないと、
次どころか今回の依頼すら「やっぱり止めます」となりかねません。

完璧なビジネスマナーである必要はないですが、
必要最低限のマナーは身に付けておかないと「廃業しました」に一直線です。

謙虚さが足りずに廃業に至るケースも

就業経験ありで開業しても、
今度は「謙虚さ」が足りずに廃業に至ってしまうケースもあります。

職歴・学歴が立派であればあるほど、
本人は普通にしているつもりでも周りから「偉そう」と見られてしまうのです。

行政書士は顧客などから「先生」と呼ばれることもあって、
自分が「偉くなった」と勘違いすることも少なくありません。

顧客はお金を払って行政書士に仕事を依頼しますから、
客観的に見ると立場としては対等もしく顧客の方が上です。

いくら腕の良い行政書士でも、
態度が尊大では仕事を依頼しようとは思ってもらえません。

開業したての行政書士ならなおさらで、自分では「ちょっとやりすぎかな」と思うぐらい
謙虚な姿勢で仕事に臨むのがベターです。

事業計画を立てていない

行政書士開業に当たって「事業計画」を立てていない場合も、
すぐに「廃業しました」となる可能性が高いです。

行政書士として開業するには通常は事務所を構える必要があり、
開業後には事務所を経営していくことになります。

経営に携わる者が「売上目標」や「利益目標」などを設定して事業計画を練っていないと、
経営を軌道に乗せられるはずがありません。

行政書士として開業することは同時に事務所の経営者にもなることですから、
数字の目標を立ててそれを達成するための計画を練っておく必要があるのです。

事業計画を立てておかないと「何をすべき」かが見えず、
結果的に「廃業しました」となってしまいます。

取扱分野を絞り切れていない

行政書士を開業する時点で、取り扱う業務の分野をある程度絞り込んでおかないと
事務所経営が早い段階で苦しくなります。

行政書士の主な業務である「許認可申請」だけでも1万種類以上あり、
それ以外にも取り扱える業務は多岐に渡ります。

もちろん全ての業務に精通していることが望ましいですが、
さすがに1万種類以上の許認可申請だけでも網羅することはできません。

先んじて開業している先輩行政書士と渡り合って勝ち抜いていくには、
「この分野なら誰にも負けない」という業務を持っておくことが重要です。

手広く色んな業務に手を出すよりも、
特定の業務に特化した方が個人で開業する行政書士は成功しやすいのです。

営業活動を全くしていない

行政書士にとっても「営業活動」は非常に重要で、
営業活動を行っていないと廃業まっしぐらとなってしまいます。

自宅の周辺を注意しながら歩いていると、結構な田舎と言われるような地域でも
いくつか行政書士事務所の看板が見つかるのです。

役所の周辺に行けば、
注意していなくても簡単に見つけられるぐらい行政書士事務所がたくさんあります。

既にいくつか行政書士事務所があるところに1軒新たに増えたところで、
近隣の人に認識すらしてもらえないことも多いです。

行政書士として開業したら、まずは事務所近隣の人に
「新しい行政書士事務所ができた」ことを認識してもらう必要があります。

近隣の人に認識してもらうためには、
パンフレットのポスティングによる営業活動が効果的ですね。

パンフレットを郵便ポストに入れておけば、
一度はパンフレットを手にして目を通してもらうことができます。

パンフレットを見て新しい行政書士事務所ができたことを認識してもらえれば、
何か困った時に「確か近くに行政書士事務所があったよな」と思い出してもらえます。

行政書士事務所の存在を知ってもらえていないと仕事には絶対繋がりませんから、
まずは存在を知ってもらうための営業活動が重要というわけです。

ホームページやSNSを使って宣伝するのも良いが・・・

ネット全盛の現代では、行政書士もホームページやSNSを使って営業活動を行うのが
当たり前となっています。

ホームページやSNSを通して仕事が入ることもありますから、
ホームページやSNSを活用しておくのも良いことです。

ホームページやSNSを営業活動に使うのは良いのですが、個人的には行政書士の
宣伝方法としてはホームページやSNSはあまり効果的でないと思います。

行政書士は国家資格で全国で仕事ができるものの、実際には全国に行政書士が
居るので、基本的には近くの行政書士に仕事を依頼するケースが大半です。

余程特殊なケースや個人的な繋がりでもないと、
都道府県どころか市町村をまたいで事務所を訪ねてくることすらほとんどありません。

近隣から仕事が入ることが多いので、
ホームページやSNSで広く宣伝する意味があまりないのです。

ホームページやSNSで広く宣伝するなら、パンフレットのポスティングで
近隣にしっかりと存在をアピールする方が個人的には効果的だと考えるわけです。

開業時からダブルライセンスを目指して勉強する

早い段階で廃業する行政書士の中には、
開業時からダブルライセンスを目指して資格勉強しているケースがあります。

実際に行政書士と司法書士、行政書士と社労士などダブルライセンスで仕事をしている
行政書士もたくさん居るので、ダブルライセンスを目指すのは悪くはありません。

士業にはそれぞれ「独占業務」があるため、
ダブルライセンスの方が業務の幅が広がり、仕事が増えやすかったりもします。

ダブルライセンスを目指して勉強するのは構いませんが、
行政書士として開業してすぐはNGです。

開業する前に行政書士ともう1つ資格を取得しておくか、行政書士としての
仕事がある程度軌道に乗ってからもう1つの資格取得を考えた方が良いです。

開業したら、行政書士業務以外に当面の運転資金や経理処理、確定申告など
事務所経営のことも考えないといけません。

取扱業務に関する知識を深める必要もありますし、
他の行政書士などとの繋がりを作るために会合への参加も必要です。

先の営業活動も行わなければならず、
開業直後は1日24時間では足りないぐらいに「やるべきこと」が山積みなのです。

やるべきことがたくさんある中で資格勉強までするとなると、
行政書士としての仕事も資格勉強も中途半端になってしまう恐れがあります。

中途半端になった結果、もう1つの資格は取れず、
行政書士としても軌道に乗らずで廃業へと近づいてしまいます。

開業後にダブルライセンスを目指すなら、少なくとも開業してから1年は
行政書士としての仕事に専念、2年目以降に資格勉強を始めるようにしましょう。

料金の安さを売りにする

仕事を増やすために料金を安くする、特に新人行政書士がやりがちですが、
これは廃業へ自ら進んでいくのと同じことです。

一応相場はあるものの、料金にハッキリした基準はなく、
各々の行政書士が自由に料金を決めることができます。

多くの行政書士が相場通りの料金設定なので、
相場よりも安くすることで短期的に見れば仕事が増える可能性が高いです。

どんな商品やサービスでも値段を下げるのは簡単ですが、
値段を上げることはそれ相応の理由が無いと難しいです。

最初に相場より安い料金設定にしてしまうと、
安い料金のままずっと仕事を受け続けざるをえません。

1つ1つの単価が安いので、
いくら仕事が増えても忙しいだけで売上自体はそれほど上がらないのです。

料金設定のより安い行政書士が出てきた場合に、
そちらに全て仕事を持って行かれる恐れもあります。

最初に料金を安くすると価格競争に巻き込まれる上に、忙しいだけで儲からないと
なると続けていても仕方ないので「廃業しました」となってしまうわけです。

行政書士を「廃業しました」とならないようにするには

行政書士として開業してすぐに「廃業しました」とならないためには、
先に紹介した廃業パターンに陥らないようにすれば良いのです。

顧客を不快にさせないために最低限のビジネスマナーを身に付けること、
先を見据えた事業計画を立てること。

取扱業務を絞り込んで特化すること、
事務所近隣を中心にしっかりと営業活動を行うこと。

少なくとも最初の1年は行政書士業務に専念すること、
料金は相場に沿って適正なものとすること。

廃業に追い込まれる行政書士がやりがちなことの逆をすれば、
廃業のリスクを小さくすrことができますよ。

他にも「廃業しました」とならないためにすべきことがいくつかあるので
詳しく紹介しましょう。

行政書士に求められていることをマーケティング

先の取扱業務を絞ることとも繋がりますが、
事務所近隣で行政書士に求められていることをしっかりとマーケティングしましょう。

行政書士業務は多岐にわたるため、
事務所を構える地域・エリアによって求められることが違います。

例えばオフィスビルが立ち並ぶ都市部だと、
事業関係の許認可や法人の設立手続きや定款作成・変更などが求められます。

オフィスビルで働くビジネスパーソンを狙った飲食店やキッチンカーの出店もあるので、
飲食店の許可申請や道路使用許可申請の需要もあります。

外国人労働者を受け入れる企業も増えているので、
外国人労働者のビザの取得や更新もこれからは需要が増えます。

住宅街に事務所を構える場合は、土地・建物の賃貸借に関する契約書、
交通事故の事実調査報告書などの作成が求められる可能性が高いです。

田畑の多い地域であれば、田畑に家を建てたり駐車場を作ったりするのに必要な
農地転用の許可申請の需要が多いですね。

農地確保や営農計画書の作成など、
農業への新規参入サポートも田畑の多い地域では行政書士に求められます。

行政書士として開業する際には、事務所を構える周辺地域の事情に合った
業務を取り扱えば廃業に追い込まれるリスクは減らすことができますよ。

幅広い人脈を作る

行政書士事務所の経営をいち早く軌道に乗せるためには「幅広い人脈作り」も重要です。

開業したての頃は、必要な知識は頭に入っていても、
いざ業務を行うとなった時に何をして良いか分からなくなることがあります。

先輩行政書士と繋がりを持っておけば、
業務で何をして良いか分からなくなった時にアドバイスが貰えます。

忙しくて手が回らない時には手伝いをお願いできますし、
反対に先輩行政書士から手伝いを頼まれることもあります。

先輩の手伝いをしたり、仕事を紹介してもらったりというのが結構重要で、
新人行政書士にとってはこれが収入の柱になったりするのです。

行政書士同士の人脈だけでなく、
司法書士や社労士など他の士業との繋がりも作っておきましょう。

一般の人は行政書士・司法書士・社労士の業務の違いがあまり分かっていないので、
他の士業の業務について相談されることも少なくありません。

行政書士が取り扱えない業務の相談をされても、
人脈があれば取り扱える士業を紹介してあげられます。

単に断るのではなく請け負える人を紹介してあげることで、
「何か困ったことがあればここに相談しに来よう」と思ってもらえるのです。

とにかく何でも相談しに来てもらえれば、
結果的に仕事が増えることに繋がるので人脈を作っておくことが重要というわけです。

人脈を作ることは簡単ではありませんが、
幸い所属する都道府県の行政書士会が随時勉強会や研修会を開いてくれます。

地元の商工会議所が異業種交流会を開催することもあり、
人脈を広げるチャンスは少なからずあります。

時間の許す限り会合やイベントに参加して、色んな業種の人と交流を持ち、
より多くの人に顔と名前を覚えてもらうと良いですよ。

まとめ

行政書士として開業はしたは良いものの、
数年で「廃業しました」となってしまうケースは少なからずあります。

数年で廃業する行政書士には紹介したような特徴やパターンがあるので、
その特徴やパターンに当てはまらないようにすれば良いのです。

せっかくなら、すぐに廃業することなく、
長く仕事が続けられる行政書士になってくださいね。

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