MENU

「行政書士は開業しても仕事がない」はデタラメだった!?

こんにちは、洋平です。

今回は、行政書士は「開業しても仕事がない」と言われていることについて、
その真偽を確かめていきたいと思います。

行政書士は「開業しても仕事がない」は本当?

最初に結論を言ってしまいますが、
行政書士は「開業しても仕事がない」というのはデタラメです。

実際に、開業してから1件の仕事もせずに1年足らずで廃業してしまう行政書士が
居るのも事実です。

しかし、それは行政書士という職業がどういうものか分かっていないだけで、
やり方さえ間違えなければ「開業しても仕事がない」といった状態にはなりえません。

行政書士の業務は多岐に渡っていて、特に会社として事業を行う際には
行政書士の力が必要となる場面が結構多かったりします。

例えばお店をオープンするのに「営業許可」を受けないといけませんし、
ドローンを飛ばすのにも条件によっては国や自治体の許可が必要となります。

こういった許認可申請だけでも1万を超える種類のものがあり、
それ以外にも会社の定款や契約書などの作成も行政書士の業務なのです。

このように行政書士ができることは多く、
個人はともかく会社は行政書士に頼るケースが少なくありません。

なのでやり方さえ間違えなければ、
行政書士として開業しても「仕事がない」といった状況に陥ることはないのです。

廃業率が高いのは仕事がないからでは?

ひょっとすると、「行政書士は廃業率が高く、それは仕事がないことが原因」と
思っている人も居るかもしれませんね。

場合によっては「行政書士は3年以内に90%が廃業する」などと言われることもあり、
一般的には「廃業率の高い職業」と思われていたりします。

しかし実は、この「3年以内に90%が廃業する」というのは
何の根拠もない単なる噂でしかありません。

日本行政書士会連合会が機関紙で月間の廃業数を公表していますが、
廃業率については正式な調査がないので正確な数字が分からないのです。

ただ連合会が公表している月間の廃業数は、多い月でも100人程度で、
年間で言うと1,000~1,200人程度です。

行政書士は個人・法人合わせて約5万人居ますから、
年間1,200人廃業したとしても廃業率は約2.4%となります。

中小企業白書によると日本全体の廃業率が3%台となっているので、
行政書士の廃業率は平均よりも低いのです。

しかも高齢でお辞めになったりお亡くなりになった数も含まれているため、
志半ばで廃業した行政書士はそれほど多くありません。

なので「廃業率が高い」というのがそもそもデタラメで、
その原因が「仕事がないから」というのも真実ではないというわけです。

「開業しても仕事がない」と言っているのは現役行政書士?

個人的な推測になりますが、「行政書士は開業しても仕事がない」という噂の発信元は
現役の行政書士だと思います。

実際に仕事がない行政書士もそうですが、意外とそれなりに仕事のある行政書士が
「行政書士は仕事がない」と言っているケースがあるのではないでしょうか。

先にも少し書きましたが、現状で個人・法人合わせて約5万人の行政書士が居ます。

この約5万人という数字は、主な士業の中では税理士に次ぐ2番目の多さで
弁護士や司法書士、社会労務士などよりも多くなっています。

と言うことは、ライバルが多く、今はそれなりに仕事があってもいつ他の行政書士に
取って代わられるか分からないと危機感を抱いている行政書士も多いことになります。

そういった危機感を抱いている行政書士が、「開業しても仕事がない」ということにして
これ以上ライバルが増えないようにしているのではないかと思うのです。

当事者である現役の行政書士が「仕事がない」と言うと、
誰が言うよりも説得力があります。

そのため、これから行政書士を目指す人の中には「仕事がないなら行政書士は
止めておこう」と考えるケースが出てくる可能性があるわけです。

「開業しても仕事がない」という噂が広まっているのは、1人でもライバルが増えるのを
防ごうとする現役の行政書士の涙ぐましい努力の結果と言えるのかもしれませんね。

仕事のある行政書士はSNSで愚痴っている暇はない

もう1つ言えるのは、ある程度仕事のある行政書士は忙しくて、
「仕事がない」とSNSなどで愚痴っている暇がないということです。

行政書士の仕事は完全歩合制であり、
収入を増やすためには多くの仕事量をこなす必要があります。

と言うことは、水準以上に稼いでいる行政書士は、SNSなどで積極的に
情報を発信している時間的余裕がないほどに忙しいということになります。

そのため「仕事がある」「稼げている」という情報はほとんど見られず、
「仕事がない」「稼げない」という情報ばかりが目立ってしまっているわけです。

行政書士の数が多いのは「仕事が多いから」とも解釈できる

行政書士は士業では税理士に次ぐ多さとなっていますが、
人数が多いのは「仕事が多いから」と解釈することもできます。

税理士は税金に関する業務を行うので需要が多く、これからも租税制度が
なくならない限りは需要があり続けるので数が多いのも分かりますよね。

対して行政書士は士業の中では資格取得が簡単とされているので、
「資格を持っている人が多いだけで、仕事は少ない」と思われてしまいがちです。

しかし実際には、行政書士試験に合格しただけでは行政書士になることはできず、
行政書士として登録しなければいけません。

行政書士として登録するには数十万円単位のお金がかかりますし、
さらに年間数万円の会費を登録している限りは払い続ける必要があります。

要するに、ただ行政書士登録しているだけで仕事をしないのでは、
無駄にお金を払い続けることになり、何の得も無いのです。

なので、行政書士として登録し続ける人の全てとは言いませんが、
多くの人が「仕事がない」という状況には陥っていないと考えられます。

約5万人もの行政書士が全国に居て、その多くが仕事にありつけているのですから、
「開業しても仕事がない」といったことにはならないのです。

「行政書士として開業しても仕事がない」と思われているのはなぜ?

「行政書士は仕事がない」というデタラメが、
それなりの信憑性を持って広まっているのにはいくつか理由があります。

その1つとして挙げられるのが、
「行政書士に頼まなくてもできることだから」ということです。

行政書士の主な仕事は、行政手続きなどに必要な書類の作成、
行政手続きの一部代行などです。

これらの仕事はいずれも、
「書類作成や手続きが必要な本人に成り代わって行政書士が行うもの」なのです。

と言うことは、本人が書類を作ったり手続きすれば、
行政書士に頼まなくても良いということになるわけです。

最近はペーパーレス化の流れもあって、一部の行政手続きが簡素化されてきています。

そのため、現状でも本人が比較的簡単に書類を作ったり手続きしたりできるように
なってきているので、行政書士の需要が減っていると思われているのです。

ただ、確かに行政手続きは簡素化される流れになっていますし、
今後も行政手続きを含めて色んな手続きが簡素化されていくと思います。

しかし各種許認可申請だけ見ても、現状では必要な書類が非常に多く、
少しでもミスや漏れがあると申請を受け付けてもらえません。

なのである程度簡素化されたとしても、許認可申請に必要な書類の作成や手続きが
誰でもできるほど簡単になるとは考えにくいです。

いくら自分でできると言っても、
実際に許認可申請を自分で行おうとするとかなりの手間と時間がかかります。

その手間と時間をお金を払ってでも省こうと考える人も少なくないので、
行政書士の需要は現状では決して少なくないというわけです。

行政書士の仕事はAIに取って代わられるので将来性がない?

AI(人工知能)の進化によって将来的に不要となる可能性がある職業は
いくつかありますが、行政書士を含む士業もその1つです。

実際に会計ソフトが進化したことで確定申告が簡単にできるようになり、
税理士の需要が減ってきていると言われています。

AIがさらに進化すれば、いくつかの必要事項を記入するだけで行政手続きに
必要な書類を自動で作成してくれるソフトも登場するかもしれません。

そうなると行政書士の需要も減ってしまうでしょうが、
現状ではそういったソフトが開発されているといった話は聞こえてこないです。

なので、遠い将来は分かりませんが、
近い将来に行政書士の需要が大きく減ってしまうといったことは考えにくいのです。

時代が進むことが行政書士の仕事を増やすこともある

行政書士は時代が進むことで淘汰される職業と見られていますが、
時代が進むことが行政書士を仕事を増やしているのが現状だったりします。

例えばドローンが登場した当初は、
「単なるおもちゃ」の扱いで飛ばすのに特に許可などは必要ありませんでした。

しかしドローンを使った様々な迷惑行為が散見されるようになったことで、
場所や時間帯、高度によって許可申請が必要となっています。

さらに2022年6月20日以降は、
本体が100gのドローンを飛ばすには事前に国に機体登録をしなければいけません。

当初はドローンは行政書士の業務と無関係でしたが、時代が進んだことで、
現在はドローン関係は行政書士の重要な業務の1つとなっているのです。

また外国人が日本に長期滞在したり、日本で働くのに必要な在留資格
いわゆるビザの取得も時代が進むことで増えた行政書士業務の1つです。

ビザの取得申請は以前から行政書士の業務なので、
ドローン関係の新しく増えた業務ではありません。

しかし時代が進むことで、様々な業種で外国人労働者の受け入れが拡大されていて、
就労ビザ取得の需要が以前によりも大幅に増えています。

このように、行政書士は時代が進むと淘汰される職業どころか、
時代が進むことで業務の幅や需要を広げていっているのです。

開業して「仕事がない」という状況に陥らないためには

行政書士に需要はあるものの、
やり方次第では「仕事がない」という状況に陥ってしまう恐れがあります。

では「仕事がない」という状況に陥らないためには、何をすれば良いのでしょうか?

「私は行政書士だ!」と胸を張って言えるだけの収入を稼ぐには、
まず第一に「営業活動」を積極的に行うことです。

「仕事がない」状況に追い込まれている行政書士は、
営業活動を全く行っていないか十分でないケースがほとんどです。

弁護士を筆頭に士業は依頼者から「先生」と呼ばれることも多いため、
営業活動をしなくても、事務所で待っていれば仕事が入ってくると勘違いしがちです。

確かに事務所で待っているだけで仕事が入ってくる行政書士も居ますが、
その行政書士もそうなるまでには積極的な営業活動を行っているはずです。

行政書士として開業しただけでは、事務所近隣の人にさえ
「ここに行政書士事務所がある」ということを認識してもらえていません。

存在を認識してもらえていなければ、行政書士に頼る場面になっても
「あそこの行政書士にお願いしよう」とはならないのです。

ですから、開業したらまずは事務所近隣の住民や事業者に
「ここに新しい行政書士事務所ができた」ということを認識してもらう必要があります。

そのためには、チラシやパンフレットを作ってポスティングするといった営業活動を
行わないといけないわけです。

役所周辺に行けば何軒か行政書士事務所が見つかりますから、県どころか市をまたいで依頼者が来るといったことはほとんどありません。

なのでホームページやSNSなどで広く宣伝するよりも、チラシやパンフレットの
ポスティングで事務所近隣という限られたエリアに宣伝する方が効果的だったりします。

ホームページやSNSを通して仕事の依頼が入ることもあるので、
ホームページやSNSアカウントの開設も並行して行っておくと良いですよ。

幅広い人脈作り

行政書士として「仕事がない」という状況に陥らないためには、
幅広い人脈を作っておくことも重要です。

日本も昔に比べると人間関係がドライになってきているとは言え、
まだまだ人との繋がりで仕事が入ってくることも少なくありません。

特に開業したばかりでなかなか仕事にありつけない時には、
人との繋がりで入ってくる仕事だけが頼りだったりします。

業務で困ったことや分からないことがある時に相談できるよう、
行政書士同士の横の繋がりを作っておきましょう。

自分以外の行政書士は、ライバルであると同時に心強い味方でもあるのです。

司法書士や社会労務士といった行政書士以外の士業と繋がりを持っておくことも、
仕事の窓口を広げることになります。

さらに士業以外の職業の人は、仕事の窓口としてはもちろん「見込み客」でもあるので、
繋がりを持っておいた方が絶対に良いですよ。

行政書士会や連合会が開く会合やイベントには、
行政書士を始めとした士業がたくさん参加します。

また地元の商工会議所が「異業種交流会」のようなイベントを開催してくれるので、
こちらでは他業種の人脈を作ることができます。

ある程度仕事が入ってくるようになるに連れて、
こうした会合やイベントに参加する時間的余裕がなくなっていきます。

ですから開業したばかりで仕事の少ない内に、
会合やイベントに積極的に参加して人脈を広げておきましょう。

まとめ

ネットなどでよく見られる「行政書士は開業しても仕事がない」という噂は、
「デタラメ」と言い切ってしまって良いと思います。

行政書士の需要自体は現状では全く減っておらず、
やり方さえ間違えなければ「仕事がない」といった状況に陥ることはほとんどありません。

ですから現状では「仕事がない」状況なのであれば、
一度行政書士という仕事への取り組み方を見直してみてはいかがでしょうか。

ここに書いたことが参考になるかどうかは分かりませんが、ぜひ「仕事がない」と
SNSなどで愚痴を言うだけの行政書士にはならないようにしてくださいね。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次