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行政書士として開業する際のノウハウ教えちゃいます!

こんにちは、洋平です。

今回は、行政書士として開業する際の「ノウハウ」を詳しく紹介していきたいと思います。

行政書士試験合格から開業までの流れ

行政書士試験に合格したらすぐに行政書士として活動できるようになるわけではなく、
まず「行政書士になるための準備」が必要です。

行政書士として開業することになったら、
最初にすることは「事務所の調達」と「事務所名の決定」です。

行政書士登録するには事務所と事務所名が必要で、
登録手続きの前にまず事務所となる物件の調達と事務所名を決めておきましょう。

事務所と事務所名が決まったら、次は事務所がある都道府県の行政書士会を通して
日本行政書士会連合会に行政書士登録の申請を行います。

直接日本行政書士会連合会に申請することはできず、
都道府県の行政書士会を通す必要があるので注意してくださいね。

申請が受理されて登録が完了すれば「行政書士登録証」が交付されて、
晴れて行政書士としての仕事を始めることができます。

行政書士の事務所には一定の要件がある

行政書士の開業準備で注意すべきことの1つに「事務所」があります。

行政書士事務所として使う物件には一定の要件が定められており、
その要件を満たしていないと行政書士事務所として使うことができないのです。

細かい要件は色々ありますが、大まかに言うと
 ・行政書士業務が行える環境であるか
 ・守秘義務が守れるか
 ・使用権原が適正か
などといったことです。

まず「業務が行える環境」ですが、行政書士の主な仕事はお客さんの依頼を受けて
行政手続きに必要な書類を作成することです。

そうすると、書類を作成するための「事務机」「パソコン」、
お客さんの応対用に椅子とテーブルといったものが必要となります。

さらにお客さんや官公庁などと連絡を取るための「固定電話」「FAX」、
書類やお客さんから預かったものなどを入れておく「鍵付きのキャビネット」も必要です。

こういった行政書士業務を行うのに必要な備品等が揃っている事務所であることが
求められます。

次に「守秘義務」ですが、
行政書士の業務によってはお客さんの個人情報を取り扱うこともあります。

そのため業務の詳しい内容や業務上知りえたことが、
簡単に漏れてしまうようでは行政書士事務所としては使えません。

例えば自宅の一室を事務所とする場合には、
「居住スペース」と「事務所スペース」を完全に分けておく必要があります。

居住スペースと事務所スペースの境界がハッキリしていないと、お客さんとの話が
家族に聞こえたり、作成中の書類が家族の目に入ったりしてしまいます。

これでは守秘義務が守れませんから、自宅を事務所として使う場合には
居住スペースと事務所スペースをハッキリと分けておく必要があるのです。

最後の「使用権原」ですが、これは「物件の所有者が物件を行政書士事務所として
使うことを承諾しているか」ということです。

戸建ての持ち家で、なおかつその所有者が行政書士となる人であれば誰の承諾も
不要です。

しかし家族名義になっている場合は、
物件の所有者である家族に事務所として使うことの承諾を得なければいけません。

戸建ての賃貸物件の場合は当然所有者であるオーナー、
それから物件を管理している管理会社の承諾も得た方が良いですね。

問題はマンションなどの集合住宅で、
この場合はたとえ分譲であっても管理組合や管理会社の承諾が必要となります。

集合住宅は規約で「居住目的以外での利用」を禁止しているケースがあり、
承諾なしで事務所として使うと規約違反となる恐れがあるのです。

ですから集合住宅の一室を行政書士事務所にするなら、
分譲でも賃貸でも管理組合や管理会社の承諾を得るようにしましょう。

現地調査が行われるので「ごまかし」はきかない

書類だけだったら、多少は要件を満たしていない物件を事務所として申請しても
受理してもらえるかもしれません。

しかし行政書士登録申請の際には、
所属することになる都道府県の行政書士会による「現地調査」が行われます。

ですから、備品が全部揃っていないぐらいならともかく、
物件自体が要件を満たしていないと申請を受理してもらえません。

行政書士登録申請において事務所となる物件は「ごまかし」がきかないので、
しっかりと要件を満たした物件を用意しておきましょう。

ちなみに、最近は起業時の費用負担を抑える目的で「バーチャルオフィス」を
利用するケースが増えています。

ただ、個室が使える「レンタルオフィス」ならまだしも、住所を借りる
バーチャルオフィスでは行政書士事務所として認められない可能性が高いです。

事務所名を決める際にも注意が必要

事務所の調達とともに事務所名を決めることになりますが、
事務所名の決め方についても少し注意が必要です。

日本行政書士会連合会の指針で、
基本的に既存の行政書士事務所と同じ名称は使えないとされています。

ですから、特に深く考えずに適当な事務所名を付けると、
既存の行政書士事務所と名称が被ってしまう恐れがあるのです。

ただ、日本全国に行政書士は約5万人居ますから、
恐らく行政書士事務所も数万軒あると思われます。

そのどれとも被らないオンリーワンの名称を考えるのは難しいので、
所属することになる都道府県の行政書士会内でオンリーワンであればOKです。

また「氏名+行政書士事務所」もしくは「行政書士+氏名事務所」といったように、
自分の氏名を事務所名に使う場合は既存事務所と被っていても認められます。

なので特に個人で行政書士として開業する場合には、
氏名を使った事務所名にするのが分かりやすくて無難ですよ。

行政書士登録にはお金がかかる

事務所となる物件を調達して事務所名を決めたら、
いよいよ行政書士登録申請を行うのですが、申請にはお金がかかります。

それも数千円、数万円ではなく、数十万円単位のお金です。

行政書士登録にかかる主な費用として
 ・登録手数料
 ・都道府県の行政書士会の入会金
 ・都道府県の行政書士会の月会費(3か月分)
 ・登録免許税
などが挙げられます。

「登録手数料」は25,000円、「登録免許税」は30,000円でこれは全国共通です。

行政書士会の入会金と月会費は都道府県ごとに違っていて、
特に入会金は都道府県によって2倍以上の違いがあったりします。

例えば東京都の行政書士会であれば入会金は20万円、
お隣の神奈川県では25万円となっています。

東北地方は東京や神奈川に比べると入会金が安く、青森・秋田・福島は12万円、
宮城と山形に至っては10万円で済みます。

月会費は5,000~7,000円の間でそれほど差はないものの、
東京や神奈川では30万円前後、東北でも20万円前後はかかることになります。

備品の調達にもお金が必要

行政書士登録費用とは別に、
行政書士として仕事をするのに必要な備品などの調達にもお金がかかります。

事務所で使う事務机やパソコン、お客さんを応対するための椅子や机、
鍵付きキャビネットなどを用意しなければいけません。

それ以外にも、行政書士であることを示す「行政書士バッジ」、
作成書類の押印に使う職印、名刺、帳票類などの購入や制作も必要となります。

また事務所として使う物件を借りる場合には、敷金などの費用がかかってきます。

ですから先の登録費用と合わせると、
場合によっては50万円以上のお金が必要となることも考えられるのです。

開業後の運転資金も用意しておいた方が良い

行政書士開業にかかるお金とは別に、
開業後の運転資金もある程度用意しておいた方が良いですよ。

先にも書いたように、行政書士は全国に約5万人居り、
役所周辺に行くと数軒の行政書士事務所が見つかります。

要するに、ライバルが多く、行政書士として開業してもすぐに次々に仕事が入ってきて
十分な収入が得られるわけではないということです。

実際に行政書士として開業したは良いものの、
数か月間1件の電話すらかかってこないといった状況に陥ることもあるぐらいです。

さすがに数か月も仕事が入らないのは行政書士本人に問題がありますが、
事務所運営が軌道に乗るまで時間がかかるのは事実です。

十分な収入が得られずに食うや食わずの生活をしていると心が折れてしまいますから、
事務所が軌道に乗るまでの運転資金を事前に用意しておいた方が良いわけです。

いくらぐらい運転資金として用意するかは人それぞれですが、目安としては少なくとも
3か月の生活費、できれば半年分の生活費は用意しておきたいですね。

行政書士の開業資金が用意できない!

行政書士登録だけで20~30万円、
その他事務所や備品の調達も合わせると50万円ぐらい必要となります。

さらに半年分の運転資金を用意しておくとなると、
軽く100万円を超える資金を行政書士開業前に準備しておかないといけません。

十万円単位ならともかく100万円を超えるお金は簡単に用意できず、
「お金が無いから行政書士登録を諦める」といった人も出てくるかもしれません。

行政書士の開業資金が用意できない場合には、
金融機関の「創業融資」を利用すると良いですよ。

創業融資は新しい事業の開始に当たって融資が受けられる制度で、
日本政策金融公庫を始めとして民間の金融機関でも行っています。

通常の融資よりも金利が低く、
返済期限も長めに設定されているので返済の負担がそれほど大きくありません。

ただし創業融資で借りられる金額は自己資金の2倍程度となっていることが多く、
100万円の融資を受けるには50万円の自己資金を用意しておく必要があります。

行政書士開業時には創業融資を利用しておくのがおすすめ

個人的な意見としては、必要が無いとしても、
行政書士開業時には創業融資を利用しておくのがおすすめです。

創業融資を申し込む際には「事業計画書」などの書類を作成して提出するのですが、
実はこれ行政書士の業務となっています。

行政書士として開業すると、金融機関で融資を受けたい人が事業計画書の作成を
依頼してくる可能性があるのです。

ですから、行政書士開業時に自分で創業融資を利用して事業計画書を作ることが、
行政書士としての「実務経験」になるので利用しておいた方が良いというわけです。

お金が貯まるまで行政書士登録を先延ばしにする方法もあるが・・・

いくら行政書士登録のためとは言え、「お金を借りるのはイヤ!」という人も
少なからず居ると思います。

その場合には、他の仕事をするなどして開業資金が貯まるまで行政書士登録を
先延ばしにするという方法もあります。

行政書士試験合格に有効期限はありませんから、
合格後数年経ってから行政書士登録するといったことが可能です。

ですから創業融資を利用したくない場合は、
他の仕事などで開業資金を貯めて行政書士登録しても良いのではないでしょうか。

ただし、試験合格から登録までに期間が空くと、
試験のために勉強したことが無駄になってしまう恐れがあります。

国会では年間に100~200件の法律改正が行われていて、
行政書士業務に関わる改正も毎年少なからず行われています。

行政書士登録していると、所属の行政書士会が開催する勉強会や研修会に参加して、
行政書士業務に関わる法律改正について詳しく勉強することができます。

行政書士登録をしていないと勉強会や研修会には参加できませんから、
独学で法律改正について勉強する必要があります。

独学で行政書士業務に関わる法律改正を全て網羅するのは難しいです。

なので登録を先延ばしにすることで、試験のために勉強したことが法律改正によって
無駄になってしまう恐れがあるのです。

そのため個人的には登録を先延ばしにすることはあまりおすすめできず、
創業融資を利用してでも合格後すぐに登録するのがおすすめですね。

行政書士法人への就職は超難関

開業資金が用意できない場合にはもう1つ、
「行政書士法人に就職する」という方法もあります。

行政書士試験に合格した人が行政書士法人に就職すると、
行政書士法人が行政書士登録に必要な費用を負担してくれることがあるのです。

また事務所となる物件を用意する必要もありませんし、
給料が貰えるので運転資金も準備しなくて済みます。

要するに行政書士法人に就職すれば、
開業資金をほとんど用意しなくても良いことになるわけです。

しかし行政書士法人への就職は、「ほぼ無理」というぐらいの超難関となっています。

2022年4月1日現在、行政書士として登録しているのは個人・法人合わせて
約51,000人ですが、法人はその内たったの1,000人です。

しかも全ての行政書士法人が常時行政書士を募集しているわけではなく、
多くても100件ほどの求人があるぐらいです。

それに対して、行政書士試験合格者が毎年4,000~5,000人出ますから、
行政書士法人への就職は超難関なのです。

開業後に事務所経営を軌道に乗せるまで

行政書士として開業したら、次は事務所経営を軌道に乗せないといけません。

そこで行政書士として軌道に乗るまでのノウハウを、簡単にですが紹介しておきましょう。

行政書士として開業してもすぐに仕事が入るわけではないので、
まず仕事を獲得するための「営業活動」を行うことになります。

パンフレットを作って事務所近所の住宅や会社に配ったり、ホームページを作り、
SNSも駆使してネットで情報を発信するなどといったことを行います。

営業活動と並行して、行政書士や司法書士、社労士など他の士業、他業種の人脈も
広げておきましょう。

行政書士は人からの紹介で仕事が入ることもありますから、
人脈を広げることは仕事の窓口を広げることと同じなのです。

それから、行政書士として仕事をするに当たっての「専門分野」を決めておきます。

行政書士だけが行える独占業務の内、許認可関係だけでも16,000種類ぐらいあるので、
専門分野を決めずに業務を行うことは難しいです。

なのである程度専門分野を絞って、それ以外の業務は先に作っておいた人脈を
駆使して他の行政書士にお願いするようにします。

営業活動と人脈作り、専門分野の選定の3つを最初に行っておくことで、
比較的早く事務所経営を軌道に乗せられる可能性が高くなりますよ。

まとめ

行政書士の開業には、それなりの手間とお金がかかります。

その上「儲からない」と言われることもあり、
開業しても経営を軌道に乗せるまでが大変です。

ただ行政書士の需要は今後も極端に減ることは考えにくく、
やり方次第では経営を軌道に乗せることはそれほど難しくありません。

ここで紹介したことを参考に、自分なりのノウハウを見つけて、
ぜひ行政書士として成功を収めてください。

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