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行政書士は勇気と精神力があれば即独でもやっていける!

こんにちは、洋平です。

今回は、行政書士の「即独」について詳しく見ていきたいと思います。

行政書士は「即独」が基本?

行政書士の資格試験に合格後、
使用人行政書士などの実務経験を経ずに独立開業することを「即独」と言います。

他の業種では実務経験を積んでから独立開業するのが常識ですが、
行政書士は実務経験ゼロで即独するのが基本なのです。

実際に、現在個人で活動している行政書士の多くが実務経験無しに即独しています。

行政書士の多くが即独する大きな理由の1つが、
「実務経験を積める場所が少ない」ことです。

そしてもう1つが
「準備さえしておけば実務経験が無くても十分にやっていけるから」です。

行政書士が実務経験を積める場所はほとんど無い

まず「実務経験が積める場所が少ない」ですが、
行政書士としての実務経験が積めるのは「行政書士法人」のみとなっています。

要するに、既に開業している行政書士事務所に行政書士もしくは
行政書士補助者として就職するしかないということです。

行政書士は法律で身分が保証された国家資格である代わりに、
色々な規則によって縛られてもいます。

その1つが「企業内行政書士は認められない」ことで、
行政書士として一般企業に就職することが認められていません。

ですから行政書士としての実務経験を積むには、
行政書士法人に就職して行政書士もしくは行政書士補助者として働くしかないのです。

その行政書士法人の働き口が多ければ実務経験を積むことも難しくないですが、
行政書士法人の求人自体がそれほど多くありません。

2020年時点のデータですが、
全国に行政書士登録している個人・法人の数は全部で約50,000。

その内法人として登録しているのは700余りとなっています。

しかもその700余りの行政書士法人全てが、
毎年行政書士や行政書士補助者の求人を出しているわけではありません。

なので行政書士法人の求人は年間で100件もあれば多い方だったりします。

行政書士試験の合格者は毎年4,000~5,000人出ますから、
行政書士法人に就職できる可能性はかなり低くなってしまうのです。

そのため「実務経験を積んでから独立開業しよう」と考えていても、
実際には即独するしか行政書士になる方法が無いというわけです。

準備さえしておけば実務経験ゼロでも何とかなる

即独する行政書士が多い理由の2つ目が、
「準備さえしておけば実務経験ゼロでもやっていけるから」です。

ある程度実務経験を積んでから独立開業するのがベターではあるものの、
行政書士は実務経験が無くても何とかなるのです。

行政書士の主な仕事として、
「行政手続きの代行」と「行政手続きに必要な書類の作成」があります。

例えば飲食店を開業するための「営業許可」やイベントなどを行う際の
「道路使用許可」「道路占有許可」などの手続きですね。

それ以外にも身近なところだと、家族が亡くなって遺産を相続する際の
「遺産分割協議書」の作成も行政書士の仕事です。

こうした行政手続きや必要書類の作成の方法のほとんどは、
所管している官公庁のホームページに詳しい手引きが掲載されています。

先の飲食店の営業許可申請だったら、
厚生労働省や各市町村のホームページに詳しい情報が掲載されています。

道路の使用許可や占有許可は、警察庁や都道府県警のホームページで
手引きが見られて、申請様式がダウンロードできます。

それ以外にも、行政書士に頼らずにこういった許認可申請するためのマニュアルが
市販されていたりもします。

また行政手続きを行う官公庁に直接問い合わせることで、
手続き方法や書類の書き方についてのアドバイスがもらえます。

このように官公庁のホームページやマニュアルなどを利用することで、
行政書士業務に必要な知識を学ぶことができるのです。

顧客からの依頼が入ったらインプットした知識をアウトプットすれば良いので、
実務経験が無くても行政書士業務が可能というわけです。

手引きやマニュアルを元に書類を作成してみる

官公庁の手引きや市販のマニュアルで知識をインプットするだけでなく、
アウトプットの練習もしておくと良いですよ。

申請書式が手続きを行う官公庁のホームページでダウンロードできるので、
それを使って書類作成のシミュレーションを行うのです。

まずは手引きやマニュアルをある程度内容が理解できるまで何度か読み返してから、
書類作成のシミュレーションに移ります。

内容は手引きやサンプルの丸写しでもOKですし、
自身が申請すると想定して作成してもOKです。

実際の業務ではパソコン上で作成しますが、練習では手書きの方が必要な記入項目が
身に付きやすく、分からない部分にも気付きやすいですよ。

手引きやマニュアルを見なくても書類が書けるようになるまで繰り返し作成し、
その後にもう1度手引きとマニュアルを見返してください。

そうすると最初に手引きやマニュアルを読んだ時よりも、
内容が頭に入ってきやすくなっているはずです。

手書きでの作成を繰り返して手引きやマニュアルの内容が頭に入ったら、
最後にパソコン上で書類を作成してみましょう。

官公庁のホームページにアップされている申請様式の中には、
クセがあるものもあります。

普通に入力しているのに中心から文字がズレたり、
入力欄に必要項目が入力しきれないなどといったことがあったりするのです。

なので実際に様式をダウンロードしてパソコン上で作成してみて、ズレを修正したり
文字の大きさを変えるなど使いやすいようにカスタマイズしておきましょう。

また中にはPDFで申請様式がアップされていて、
そのままではパソコンで編集できないケースがあります。

そういったケースに備えて、PDF編集ソフトを用意しておくと良いですね。

即独の行政書士がやるべきこととは?

即独の行政書士がやるべきことの1つは、
先に書いた行政書士業務に関する知識を頭に入れておくことです。

それから「人脈づくり」と「営業」が行政書士事務所を運営していく上では重要です。

まず「人脈づくり」ですが、行政書士登録を行うと所属する都道府県の行政書士会の
研修会に参加することになります。

その研修会で同じように即独する行政書士や先輩行政書士との繋がりを
作っておくのです。

行政書士の人脈があると、今後行政書士業務で困ったことや分からないことが
出てきた場合に相談に乗ってもらうことができます。

また場合によっては、新たに依頼を受けられない時や得意でない依頼が
入った時などにその依頼をこちらに回してもらえる可能性もあります。

他業種や他の士業にも人脈を作っておく

可能であれば、
行政書士だけでなく他業種や他の士業との間にも繋がりを作っておくと良いですね。

他業種の人と繋がっておくと、その業種で何かの許認可申請が必要となった場合に
依頼してもらえる可能性が高くなります。

例えば自動車販売店の人と繋がっていると、自動車を販売した際の「自動車登録」や
「車庫証明」、「移転登録」などの手続きや書類作成を依頼してもらえます。

また弁護士を除く士業には、その士業にしかできない「独占業務」というものがあります。

ちなみに弁護士だけは、
独占業務を含めて他の士業の業務のほぼ全てを行うことができます。

でも士業の独占業務なんて一般の人は知りませんし、実際に行政書士と司法書士、
社会労務士の違いを正しく説明できる人はほとんど居ません。

ですから何かしら法律絡みで困ったことがあると、
とりあえずいずれかの士業に相談することになります。

他の士業と繋がっておくことで、行政書士ができない業務の依頼が入った場合でも
司法書士や社会労務士を紹介してあげることができます。

「それは行政書士ができる業務じゃない」と無下に断ると、
依頼者との関係はそこで終わってしまいます。

しかし他の士業を紹介してあげられれば、
「何か困ったことがあればまたお願いします」と依頼者との繋がりもできるのです。

さらに他の士業に入った行政書士の独占業務の依頼を、
こちらに回してもらえる可能性もあります。

行政書士の営業方法は4つ

行政書士は看板を出して待っているだけで依頼が入ることもありますが、
当然それだけでは事務所の経営が成り立ちません。

即独した行政書士が事務所経営を成り立たせるためには、
「営業活動」が欠かせないのです。

一般的に「営業活動」と言うとアポ無しの飛び込み営業を想像しますが、
行政書士の飛び込み営業は非効率すぎるので止めましょう。

行政書士が行う営業活動しては
 ・パンフレット同封のDM
 ・ホームページ
 ・ブログ
 ・Twitter
の4つが考えられます。

メールや電話を使って営業することもできますが、
メールは送っても読んでもらえる可能性がかなり低いです。

よく知らないアドレスからのメールは迷惑メールに仕分けられるように
設定されているので、送られてきたことにすら気付いてもらえなかったりします。

また最近はお年寄りを中心に電話でトラブルに巻き込まれることが多いため、
固定電話でもナンバーディスプレイのサービスを利用していることがあります。

そうすると「あらかじめ登録している番号以外は電話に出ない」というケースも多く、
電話での営業活動が効率的でなくなっています。

さらに電話に出てくれたとしても、その時点で行政書士を必要としてないと、
かえって良くない印象を抱かれてしまう恐れもあるのです。

金銭的余裕が無いなら無料でできることだけでもOK

金銭的に余裕があるなら、先に紹介した4つの営業方法を全て行うのが効果的です。

しかしパンフレットを作成してDMで送付するのにはお金がかかりますから、
金銭的に余裕が無いからそれ以外の3つだけでもOKです。

効果的なパンフレットを作成するにはやはりプロに依頼した方が良いので、
パンフレット作成だけで数万円はかかってしまいます。

DMを自ら配って回るわけにはいきませんから、当然郵便で送ることになります。

封書の切手代が1通当たり84円で、
1000通も送ると郵便代だけで10万円近くかかってしまうのです。

パンフレットの作成費用と合わせると20~30万円は少なくともかかるので、
金銭的に余裕が無ければ行わなくても大丈夫ですよ。

ホームページを使った営業活動では、
公開に必要なサーバーのレンタル代とドメインの使用料が必要です。

とは言え2つ合わせて月に10,000円程度で収まるので、
DMよりも費用をかけずに営業活動が行えます。

ただしホームページそのものを制作会社などに作成してもらう場合は、
比較的シンプルなデザイン・システムでも10万円ぐらいかかるので注意してください。

最近はノーコードツールやCMSなど、IT初心者でも簡単にホームページが作れて
運用できるツールやサービスがあるので活用しましょう。

ブログやTwitterは基本的に無料で利用できますから、
金銭的に余裕が無い行政書士の営業活動には持ってこいです。

ただそれほど宣伝効果は高くないので、毎日投稿するなどの工夫が必要となります。

ブログやTwitterを通して依頼が入ることも少なからずあると言われていますから、
宣伝効果は低くてもブログやTwitterはやっておくべきですよ。

行政書士として即独しない方が良い人とは?

行政書士として仕事をするなら、基本的には即独するしか方法がありません。

しかし中には、即独して自前の行政書士事務所を構えるのに向いていない人も居ます。

即独するのに向いていない人としてまず挙げられるのが、
「リスクを取るのが極端に怖い人」です。

行政書士に限らずどの職種でも独立開業するには、かなりのリスクを伴います。

開業したは良いけど全くお客さんが来ず、1年2年ほとんど行政書士としての収入が
無いと言ったことも十分に考えられます。

また、上手くいけば大きく儲かるけど1つでもミスをすると行政書士としての立場も
危うくなる、といったリスキーな依頼を受けるかどうかの決断を迫られることもあります。

こういったリスクに直面した時に「まあ、いいか」と開き直れる必要はありませんが、
「仕方がない」と割り切れないなら即独しない方が良いでしょう。

ちょっとの失敗で心が折れてしまう

ある程度軌道に乗るまでの行政書士は、
ハッキリ言って上手くいかないことの方が多いです。

例えば先に紹介した4つの営業活動を全て行っても、
すぐにたくさんの依頼が入るわけではありません。

地道な営業活動を続けることで1件2件と依頼が入るようになり、入った依頼を
丁寧にこなすことで評判が評判を呼んで行政書士としての仕事が軌道に乗ります。

営業活動をして依頼が1件も入らないからと言って、「全然ダメじゃん・・・」と
心が折れるようでは行政書士として成功できる可能性は低いですよ。

即独に向いていないと思ったら

「自分は行政書士として即独するのに向いていないのではないか」と思った場合は、
まず行政書士法人への就職を目指しましょう。

先に紹介したように決して簡単ではありませんが、
全く可能性が無いわけでもありません。

行政書士として雇ってもらうことが難しいのであれば、
行政書士補助者まで枠を広げてみるのも1つの方法ですよ。

使用人行政書士や行政書士補助者として実務経験を積むことで、ある程度のリスクを
取れる勇気や多少のことではへこたれない精神力が身に付くはずです。

そうした勇気や精神力を身に付けてから、
独立開業を目指すというのも決して悪いことではありませんよ。

まとめ

行政書士の求人は圧倒的に少ないので、
行政書士として行政書士法人に就職することは難しいです。

また行政書士法人以外の一般企業には行政書士として就職することができません。

ですから行政書士として開業するのであれば、
試験に合格してすぐ独立開業する即独が基本となります。

しっかりした準備とある程度の覚悟があれば、
即独でも事務所経営を軌道に乗せることは可能ですよ。

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