こんにちは、洋平です。
一般的に「行政書士はあまり儲からない」と言われますが、
「儲かる分野」を積極的に手掛けることで「儲ける行政書士」になることができます。
では行政書士の「儲かる分野」とはどういったものなのか、詳しく見ていきましょう。
行政書士の儲かる分野その1:建設業許可申請
行政書士の儲かる分野としてまず挙げられるのが「建設業許可申請」です。
建設業者が事業費500万円以上の工事を請け負うには、
都道府県知事の「建設業許可」が必要となります。
事業費に関わらず、発注側が建設業許可を得ていることを条件にすることも多いので、
建設業を営むのには建設業許可は必須なのです。
もちろん建設業者が自ら許可申請を行うこともできますが、
手続きが専門的で煩雑ということで行政書士に依頼するのが一般的となっています。
建設業許可申請では、
1件当たり少なくとも10万円以上の報酬が得られる可能性が高いです。
しかも建設業許可は5年ごとの更新が必要ですから、一度許可申請を依頼されたら
継続して更新手続きも任せてもらえる可能性が高くなっています。
建設業者と繋がりができると建設業許可申請以外の依頼も入ってくる
建設業許可申請で建設業者と繋がりができると、
派生的に他の依頼も入ってくるようになります。
建設現場では必ず「産業廃棄物」が出ますが、
それを処理したり運んだりするのにも許可が必要です。
ですから建設業者と繋がりを持っておくことで、産業廃棄物処理の許可や
産業廃棄物収集運搬業の申請も任せてもらえる可能性があるのです。
また建設業者にとって大きな仕事の1つに、
都道府県や市町村が行う「公共事業」があります。
公共事業の入札に参加するには「経営事項審査申請」が必要で、
その申請も行政書士が代行できます。
それ以外にも、新規事業への参入に伴って会社設立や法人化などの際にも
各種申請の代行や書類作成を依頼される可能性があるのです。
建設業許可申請だけでも行政書士は儲かりますが、それに派生した依頼が入る
可能性があるので建設関係は行政書士の儲かる分野となっています。
建設関係の申請には「マニュアル」が多く存在する
建設業許可など建設関係の申請には、「マニュアル」となるものが多く存在しています。
そのため開業したばかりの行政書士でも、
それほど手間をかけずに業務をこなすことができるのです。
例えば建設業許可では、申請を受け付けている都道府県がホームページに
詳細なマニュアルを公開しています。
申請書類の書式もダウンロードすることができるので、
都道府県のホームページを見るだけで申請書類を作れることが可能です。
また建設業許可申請に関する書籍も多く出版されています。
それらは「行政書士の手を借りずに自ら申請する」ことを目的にしていたりするので、
かなり分かりやすく書かれていることが多いです。
さらに「建設業許可申請をしたことが無い行政書士は居ない」と言えるほど、
建設業許可申請は行政書士にとってポピュラーな業務です。
そのため親しい行政書士仲間に相談すれば、
有益なアドバイスがもらえる可能性が高くなっています。
行政書士の儲かる分野その2:交通関係
行政書士の儲かる分野の2つ目は「交通関係」の各種申請です。
身近なところでは、自動車を購入する際の「自動車登録」や「車庫証明」、
個人間で取引した場合の「移転登録」などは行政書士が代行するのが一般的です。
それ以外にも、イベントなどで道路に看板などを設置するのに「道路使用許可」が
必要となります。
工事などで車両を長時間に渡って公道に駐車する場合には、
「道路占用許可」を申請しなければいけません。
事業関係だと運転代行業を行うには「運転代行業認定」、
運送業を始めるには「貨物運送事業許可」を受ける必要があったりします。
このように交通関係の申請はたくさん種類があり、
特に道路使用許可や道路占用許可はその都度申請しないといけません。
しかも交通関係の申請は比較的簡単なので、
ある程度の件数をまとめて受けることができます。
なのでディーラーなどの業者と繋がりを作れれば、
交通関係の各種申請で行政書士は儲けることができるのです。
行政書士の儲かる分野その3:外国人の在留資格関係
行政書士の儲かる分野の3つ目は「外国人の在留資格関係」です。
単に観光での来日であれば「ビザ」が不要なケースが多いですが、
留学や働くために来日する場合には各種「在留資格」が必要となります。
外国人の在留資格は、一部無期限のものもありますが、大抵は最大で5年、
短いと1年ごとに更新しないといけません。
そのため外国人の在留資格申請は、
一度携わると継続的に仕事を依頼される可能性が高いのです。
急速な少子化によって色んな分野で「働き手不足」が発生しており、
今後外国人労働者の受け入れが増えるのは間違いありません。
ですから今の内から在留資格申請を専門的に行っておけば、
将来的にも安定して儲けられるのではないでしょうか。
在留資格申請を行うには「ピンクカード」が必要
外国人の在留資格申請は行政書士の儲かる分野ですが、
通常の行政書士資格では在留資格申請を行うことができません。
行政書士が外国人の在留資格申請を行うには、
「行政書士申請取次事務研修」を受講して「ピンクカード」を取得する必要があります。
数時間の講座を受けて、測定効果いわゆる修了試験に合格すると
ピンクカードが取得できて外国人の在留資格申請が行えるようになります。
ちなみに、申請取次行政書士の届出済証明書がピンク色なので、
一般的にピンクカードと言われています。
ただ地域によっては届出済証明書の色が違うことがあって、
ピンクカードと言っても通じないこともあるので注意しましょう。
行政書士の儲かる分野その4:風俗営業の許可
一般的な飲食店だと不要ですが、従業員による接待を伴う飲食店を始めるには
「風俗営業の許可」が必要となります。
「キャバクラ」とか「ホストクラブ」などをイメージすると分かりやすいですね。
それ以外にも、飲む方・踊る方いずれもの「クラブ」も風俗営業の許可が必要ですし、
ライブハウスも営業内容によっては必要となることあります。
さらには「マージャン店」や「パチンコ店」、「ゲームセンター」なんかも
風俗営業の許可が必要な施設となっています。
特にキャバクラとかホストクラブ、クラブは、
地域によっては入れ替わりが激しいこともあります。
そうするとお店が変わるたびに風俗営業の許可申請が必要となるため、
行政書士としては儲かる分野になるわけです。
また接待役のいわゆるホステスやホストとして、
外国人労働者を雇うケースも接待を伴う飲食店では多かったりします。
なので、従業員となる外国人労働者の在留資格申請も併せて依頼されるということも
少なくありません。
風俗営業の許可申請には注意も必要
風俗営業の許可申請は行政書士の儲かる分野ではありますが、
注意しなければいけないことも多くなっています。
風俗営業の許可申請では、
・営業所平面図
・営業所面積求積図
・客室面積求積図
などの図面の作成が必要です。
図面を作成するためには土地や建物の「正確な計測」が必要で、
測量資格は不要ですが、土地や建物を正確に測る技術が求められます。
さらに図面を手書きするのでは効率が悪いので、
図面作成ソフトの「CAD」が使えるようにしておいた方が良いです。
許可申請後に担当者が現場に来て図面を元に測量しますから、
正確な図面を作成しないと許可が受けられない恐れがあります。
また風俗営業の許可が必要な施設が出店できるエリアが決められています。
しかも都道府県ごとに風俗営業可能エリアの要件が違っていたりするので、
その辺りの知識もしっかりと頭に入れておく必要があるのです。
遺言や相続も行政書士の儲かる分野ではあるが・・・
遺言書の原案や遺産分割協議書の作成・執行といった遺言や相続に関する書類作成、
手続き代行、相談も行政書士の儲かる分野ではあります。
特に相続税法がこの10年足らずの間に何度か改正されたこともあって、
これまで以上に相続に関する相談は増えることが見込まれます。
ただ遺言や相続に関する業務は、行政書士だけでなく司法書士や税理士、弁護士など
他の士業も行えます。
そのため先に紹介した儲かる分野よりも競合相手が多く、
その競合を勝ち抜かないと儲けることができないのです。
しかも相続について遺族が揉めている場合は、弁護士しか遺産分割協議に
参加することができないと法律で決まっており、行政書士には手が出せません。
さらに不動産の登記変更や相続税の申告など、
行政書士では行えない業務も関わってきます。
なので遺言や相続は行政書士の儲かる分野ではありますが、
実際に儲けようと思ったらかなり大変ではありますね。
儲かる分野には注意しなければいけないことも多い
先に紹介した業務は行政書士にとって「儲かる分野」ですが、
儲かると分かっている以上は他の行政書士も積極的に仕事を取りにきます。
要するに競合する相手が多く、場合によっては儲かる分野の業務依頼が
なかなか入ってこないといったことも十分に考えられます。
また競合相手が多いと「あそこはいくらで請け負ってくれる」といったように、
他の行政書士を引き合いに出して料金値下げを要求されることも少なくありません。
一度値下げに応じてしまうと、
以降ずっと値下げを要求され続けることになる恐れもあります。
そのため依頼者の要求に応じて値下げしていたのでは、
せっかくの儲かる分野の業務で儲からなくなってしまいます。
なのでもし依頼者が極端な値下げを要求してくるようであれば、
いくら儲かる分野の業務であっても断る勇気が必要ですよ。
風俗営業の許可申請では反社との関係に注意
特に風俗営業の許可申請を依頼された場合には、
「反社会的勢力」との関係に注意が必要です。
以前よりは少なくなっているものの、
水商売は反社会的勢力との繋がりがあるとされています。
また反社会的勢力を取り締まる法律が厳しくなったこともあって、経営者やお店と
反社会的勢力の関りを表面的には見えなくしているケースも多いです。
そのため風俗営業の許可申請の依頼を受けたは良いものの、結果的に
反社会的勢力の資金稼ぎの片棒を担いでしまったといったことになりかねません。
「反社と関わりのある行政書士」というレッテルを貼られると、
行政書士としての仕事がまともにできなくなってしまいますよ。
「餅は餅屋」ではありませんが、
風俗営業や反社会的勢力についての情報はやはり警察関係者が強いです。
なので風俗営業の許可申請を行うつもりなら、退職した警察官など
風俗営業や反社会的勢力の情報に明るい人との繋がりを作るようにしましょう。
地域に合った儲かる分野を考える
行政書士の儲かる分野をいくつか紹介しましたが、
事務所を構える地域によっては先に紹介した分野では儲からない可能性もあります。
例えば開発が終わったばかりのニュータウンのような地域では、
新たに大規模な工事が何件も行われることは考えにくいですよね。
そんな地域で「建設業許可申請など建設関係の各種申請で儲けよう」と思っても、
儲けられない可能性が高いです。
開発が終わったばかりのニュータウンエリアだと、
今後飲食店など新しいお店が次々と進出してくることが見込まれます。
そうすると営業許可や道路使用許可、道路占用許可などの依頼が多くなることが
考えられます。
お年寄りが多く住む田舎と言われる地域だったら、
営業許可や道路使用許可よりも遺言や相続を専門的に取り扱う方が儲けられます。
このように事務所を構える地域に実情にあった業務を専門的に取り扱うことで、
儲ける行政書士になることができますよ。
最初は色んな業務を請け負って、自分の得意分野を見つける
効率的に業務を行わないと、
儲かる分野の依頼を受けても儲からないことになってしまいます。
ですから行政書士として開業したら、
最初の内は儲かる・儲からないに関わらず色んな業務を請け負ってみましょう。
色んな業務をこなす内に、あなたが得意な分野、効率的に作業できる分野というのが
分かってきます。
あなたの得意分野がたとえ儲からない分野だとしても、
件数をこなせればそれなりには儲けられるようになります。
なので儲かる分野にこだわるのではなく、
あなたが得意とする分野で儲けられるようにしてくださいね。
まとめ
行政書士の儲かる分野について詳しく紹介しました。
ただ紹介した分野はあくまで「一般的に儲かる」と言われているだけで、
この分野を手掛ければ必ず儲かるわけではありません。
一般的に儲からないとされる分野でも、
取り扱っている行政書士が少なく依頼が集中すれば儲けることが可能です。
ですから先にも書いたように、
まずは儲かる・儲からないにこだわらずに色んな分野の業務を請け負いましょう。
色んな業務をこなす内に「得意分野」を見つけて、
その得意分野をあなただけの儲かる分野にしてくださいね。